圧力鍋の仕組みについて
圧力鍋って、どんな調理器具なの?
こんにちは。そしてはじめまして
圧力鍋研究家のさいとうあきこと申します。
今回、ご縁をいただき〈Kimscook静音圧力鍋〉のお手伝いをすることとなりました。
今までメーカー問わず、30台以上の圧力鍋を使ってきて、使えば使うほど
圧力鍋って簡単!便利!楽しい♪を実感しています。
圧力鍋に特化した料理教室を開催して、延べ3,000人以上の方に、圧力鍋の使い方やおいしいレシピをご紹介してきました。
圧力鍋をまだお使いでない方からよく言われるのが
「圧力鍋って、難しくないですか?」
「圧力鍋って、なんだか怖いんですよね」
「圧力鍋って、爆発するって聞いたから」
という言葉
残念ながら、世の中には、
こんなイメージをお持ちの方もまだまだ多いようです
誰しも、わからないものは怖いですから、仕方ないですね
ということで、圧力鍋をより深く理解できるように、
なるべくわかりやすい言葉でご説明していこうと思います。
圧力鍋って、どんな鍋なのでしょうか?
「圧力をかけて調理する鍋」でしょ?と思ったかもしれませんが、
何に対して「圧力をかける」のか?がポイントです。
食材に対して、ぎゅーぎゅーと圧力をかけるから、柔らかい食材だと煮崩れるんでしょ?
と、私も最初はそう思ってました
でも、違ったのです!
普通の鍋は、鍋の中の水分(煮汁)が沸騰したら、湯気(水蒸気)でふたがカタカタ動いたり、ふたの隙間から湯気が出ます。鍋の中に湯気が溜まり続けることはありません
一方、圧力鍋は、ふたの周りのゴムパッキンが付いています。これは、鍋を密閉して、湯気(水蒸気)を鍋の中に溜めるため。
鍋の中で煮汁が沸騰すると、湯気(水蒸気)が発生して、どんどん溜まっていきます。
そうすると、鍋の中の「蒸気圧」がどんどん高くなります。
蒸気圧が高くなると、液体の沸点の温度が上昇します。
(これ、高校の物理で習った「ボイルシャルルの法則」に基づいているのですが、難しいことは理解しなくて大丈夫ですよ)
沸点がどのくらい上昇するかというと、
Kimscook静音圧力鍋の設定圧力は100kPaなので、計算上、水の沸点が約120℃まで上昇します。

普通のお鍋だと、グラグラ沸騰している状態でも、水の沸点は100℃以上にはなれません。でも、圧力鍋なら、100℃以上の高い温度で調理ができるという仕組みです。
つまり、超簡単にわかりやすくいうと
圧力鍋とは、「100℃以上の高温で調理する鍋」なのです。
普通の鍋ではどう頑張っても、どれだけ強火にしても120℃のお湯を作り出すことは不可能です。たとえ250℃のオーブンに入れたとしても、水の沸点は100℃です。
普通の鍋では、どうやっても作り出せない環境で調理できる圧力鍋だから、驚くほど短時間で食材を柔らかくしたり、旨味を引き出したりすることができるのです。
ね、すごいでしょ、圧力鍋って!
圧力鍋は鍋の中に蒸気を溜める仕組みになってることは、なんとなくわかっていただけたかと思います。
でも、圧力鍋の中に、ずーっと蒸気が溜まり続けるとどうなるでしょう?
風船をイメージして、その中にどんどん空気が入っていくと、限界を超えた時には…
(後は想像にお任せします)
でもご安心ください!
そうならないために、圧力鍋には、いくつもの安全装置がついていて、
設定した蒸気圧を超えると、蒸気を逃がす仕組みになっています。
圧力調理の間、シューっと蒸気が出る音がするのは、適切な蒸気圧を保っている証拠です。
(静音カバーの下から、小さくシューっという音が聞こえてる状態)
そう考えると、シューっという音が聞こえてると安心できますよね。
それが理解できないと、
「シューって言うから怖い」と思ってしまうのですが、
この仕組みがわかると、安心して使えるようになりますよ。
圧力鍋には、安全装置がついているから安心。
と言っても、使う側も気をつけることがあります。
それは、定期的なお手入れ
特に蒸気ノズル部分は、必ず付属の掃除棒を使って、つまりがないことを確認してください。その他の部品も、取扱説明書をご参照の上、定期的にお手入れしてくださいね。
安全に、安心して、楽しくお料理するための大切な約束です
仕組みがわかれば、圧力がかかる時にシューっという音がしても、「正常に圧力がかかっている証拠」と安心して使うことができますよ。
Kimscookのサイトには、たくさんの圧力鍋レシピをご紹介しています。
ぜひいろいろ作ってみてくださいね!